
皆さま、ましかく写真はお好きでしょうか?
私は大好きです。
ましかく、もといスクエアフォーマットでまず思い浮かべるのはハッセルブラッドV(500CMなど)やローライフレックスなどの二眼レフではないでしょうか。
今回ご紹介するのは35mmフィルムを使用した国内唯一のスクエアフォーマットカメラ、マミヤスケッチです。
マミヤ スケッチ
仕様
24mmx24mm、 35㎜フィルム使用スクエアフォーマット(36枚撮りでだいたい54枚撮影可能)
レンズ:セコール 35㎜ f2.8 3群4枚
シャッター:コパル製
シャッタースピード:B, 1, 1/2, 1/5, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/300(大陸系列)
絞り羽根12枚
71x105x53㎜
重量 約440g
1959年5月発売(翌年2月生産中止)
販売価格12800円
当初はハーフサイズカメラとして設計されましたが、最終的にスクエアに変更となりました。一説によるとアメリカのバイヤーからハーフでは売れないという指摘を受けたとか。
「フィルムが5割増しに使えるスケッチ判」というキャッチコピーで販売されました。
通常の36mmx24mm(ライカ判)の1.5倍撮影でき、フィルム価格の高かった当時としては経済的に使えることを強みにしていました。
また、当時の35mmカメラは露出計、距離計、レンズ大口径化により大型化していたため、35㎜フィルムで手軽かつ縦横持ち替えする必要のない正方形カメラをコンセプトにしたようです。
しかし実際にはオリンパスペンと販売時期がかぶってしまい、あまり売れませんでした。
※オリンパスペンはスケッチ発売の5か月後の10月に”6000円”で発売されました。
オリンパスは先行のスケッチを研究したという話もあります。
1年間も生産されることのなかった短命なカメラですが、その生産台数の少なさや国内唯一の35mmスクエアフォーマットという希少性から中古相場ではかなり高価な部類です。
かの広末涼子さんが個人的に所有し、CMで使われたことやラジオで話したことも人気再燃に一役買っているかもしれませんね。
しかし(おそらく)最初の一台目にスケッチを選ぶとは広末さんも中々やりますね。
三脚穴は通常のサイズではなく、実際に三脚に装着する場合には専用のトライポッドアダプターを使用します。
また専用ケースの固定にトライポッドアダプターがそのまま使われる仕様となっています。
◆注意点
実は巻き戻し時に注意点があります。
元々本体の指標のわかりづらさと、取り扱い説明書の複雑な説明も手伝って最初は混乱すること請け合いです。
怖いのが間違った使い方をすると壊れる可能性もある、ということです。
では見ていきましょう。

こちらがワインド・リワインド(巻上げ・巻き戻し)の切り替えです。
R(巻き戻し)を真ん中に左右に赤点(撮影時使用の巻上げポジション)という配置です。
上の写真では「巻上げ」ポジションに合わせている状態です。
こちら、巻き戻すとき以外は赤点に合わせるようにします。
Rの位置にしたまま巻上げレバーを回さないようにしてください。
フィルムを巻き取り、裏蓋を装着したらすぐに赤点の巻上げポジションに合わせるクセをつけましょう。
そこさえ守ればあとは普通のマニュアルカメラです。

上の写真は「巻き戻し」ポジションです。
合わせるときにスプロケットのロックが解除される「カチッ」という音がします。

上の写真の赤丸の突起と窪みを合わせてから巻き戻しましょう。
◆まとめ
今回は国内唯一の35mmスクエアフォーマットカメラ、マミヤスケッチをご紹介しました。
手軽さではオリンパスペンに劣るかもしれませんが、その独特のフォーマットや距離計内蔵で正確なピント合わせが可能な点、つくりの良さもあり、撮影自体とても楽しいです。
もちろんこちらも十分に小型軽量なので気軽に持ち出せるのも良いですね。
当店ではマミヤスケッチの修理も受け付けています。
お困りの方はご相談下さい。
※今回写真に使用したマミヤスケッチは当店の整備済み商品ですが、貼り革がボロボロだったため似た色のものに張り替えており、オリジナルではありません。
撮影サンプル