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Ihagee エキザクタ66

エキザクタはイハゲー(Ihagee)社の一眼レフカメラ名です。

イハゲーは知らなくてもエキザクタは聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

Exakta表記で、日本ではエキザクタ、エクサクタ、エグザクタ等で読まれています。

(エグザクタは検索するとカミソリのほうが良く出ますが…)

当店ではエキザクタで書いていこうと思います。

 

今回ご紹介するのは6x6判のエキザクタ66です。

戦前・戦後モデルが存在し、両方合わせて4000台程度しか生産されていない希少なカメラです。

1986年に西ドイツで発売された同名のカメラもありますが、また別物なので今回は除外します。

 

戦前モデル・横型

1939年発売

仕様

・120フィルム・6x6判

・レンズ交換式

・ウェストレベルファインダー

・赤窓付き

・布幕フォーカルプレーンシャッター

・シャッタースピード:12秒~1/1000秒、B

・底部フィルム巻上げレバー

・シンクロ付き

 

初登場は1939年、ライプツィヒスプリングフェアでイハゲーから発表されました。

同年発売されレンズ付きのいくつかのバリエーションで販売されました。

・Ihagee Exaktar 8.5cm F3.5付き 225RM

・Makro-Plasmat 10,5cm f2.7付き 390RM

※RM:ライヒスマルク

 

《閑話》

ライヒスマルクは1924-1948年に使用されたドイツ公式通貨。東西分断まで使用されました。

1923年のハイパーインフレーションに対処するための流れで使用されるようになりました。

当時1ドル=4.2RMくらい。

1939年の1ドルは現在の18.29ドル相当らしいので、1ドル=110円とすると、上記のセット価格は以下のようになります。

・Ihagee Exaktar 8.5cm F3.5付き 約107700円

・Makro-Plasmat 10,5cm f2.7付き 約186800円

今の新型カメラと比べても結構リーズナブルな価格感ですね。

 

フィルム送りに難があり、1939年8月頃まで生産に遅れが出ており、また11月にはすでに生産中止となっています。

生産中止の理由としては戦争と上記フィルム送りによるものだと言われています。

生産台数は約1500台。

レンズは生産・販売は継続されました。

設計の見直しでフィルム送り問題は解決されるという開発者のコメントがあったそうです。

そして1942年末の販売業者の広告で、戦争後渡しのエキザクタ66の先行予約と、レンズの販売中、カメラの再生産の準備ができていることが記載されてました。

しかしながら1945年2月にドレスデン爆撃により工場全てが焼失し、戦後しばらく生産されることはありませんでした。

 

1951年3月ライプツィヒスプリングフェアで、改良した戦後型プロトタイプが発表されましたが、このモデルは戦前タイプと同じ横型デザインでした。

そして1952年に戦後型・縦型が初登場することになります。

戦後モデル・縦型

1953年発売

仕様・その他

・120フィルム・6x6判

・レンズ交換式

・ファインダー交換式、標準はウェストレベルファインダー

※プリズムファインダーのアナウンスがあったが、1955年の広告にはこの商品の記載は一切なかったようです。また1958年のプライスリストにも載っていません。

・フォーカシングスクリーン(コンデンサーレンズ)交換可能

・交換式フィルムバック。ただし遮光板はないので撮り切ってから交換する。

・布幕フォーカルプレーンシャッター12秒~1/1000秒、B,T

・三脚穴2か所、横はフラッシュ固定用と思われる。

・テーブルスタンドにより安定して置ける

・二重露出防止

・レンズマウントは戦前から変更。大型化された。

・大型スプリットミラー、望遠でのミラー切れ対策

・スタンダードレンズはテッサー80mm F2.8、プリセット絞り

・56mm~400mmまで生産された

 

縦型は1952年ライプツィヒオータムフェアでプロトタイプが発表されました。

1953年発売。年内は118台のみ市場へ。

1954年に1万台生産予定でしたが、2250台のみとなりました。この機種でもフィルム送りに問題が起こり、1954年末に一時的に生産停止となります。

ビジネス部と技術部で生産停止か、さらなる調整の為の投資か、という問題が巻き起こり、ドレスデン工科大学の評価を受けることとなりました。

結果としては、品質保証のためには、全体的な構成の根本的な変更が必要というものでした。

つまりカメラとして根本的に欠陥があったということですね。

1958年アメリカのプライスリストにはまだ載っていたので、しばらくは生産されたようです。

 

ちなみにそのプライスリストには、テッサー80mm F2.8付きで319.5ドルで載っています。

1958年の1ドルは現在の8.78ドル相当らしいので、1ドル=110円とすると、308500円程度ですね。(ドイツでの価格はわかりませんでした)

こちらは大体納得の価格感ではありますが、フィルム送りに問題があるカメラとしては新品でその値段は勇気がいりますね…

おわりに

戦前、戦後ともにフィルム送りに問題があり、生産台数も非常に少ない悲運のカメラ、エキザクタ66。

確かにフィルム送りは気になります。

しかしながら、その佇まい、存在感は他のカメラにはないものです。

また、使用感も実は悪くないんです。

私は戦後型のみ使用したことがありますが、使い方に慣れてしまえば、使い勝手はそれほど悪くない印象です。

ハッセルブラッドのアキュートマットのように明るいファインダーではありませんが、隅までしっかり見え、ピント合わせはしっかりできます。

セルフコッキングでストレスのないシャッターチャージと巻上げ。

使い方にクセがありますが、便利なセルフタイマーとスローシャッター(12秒ってすごいですよね!)

何気に良いのが、フィルムバック背面にある窪みが、良い感じにグリップできて安定してホールドできます。

 

大体コマかぶりが発生するのですが、巻き取りスプールにガムテープを巻くなどして厚みを出せばコマかぶり問題も大体解消できます。

昔と今のフィルムの厚みが違うので、コマ間問題は古いカメラで見られます。

この対処法は他のカメラでも応用できます。

それでも最後のほうはコマ間が狭くなるので、11コマくらいでやめておくのも手かもしれません。

 

いかがだったでしょうか。

他記事で戦後型の使い方もご紹介する予定です。

修理・調整も承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

戦後型商品写真

撮影サンプル(戦後型・テッサー80mm F2.8)

※随時追加します。

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